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史跡案内ボランティアガイド


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2016年3月度 史跡巡り(八女市)

2016年 3月 史跡めぐり

2016年 3月15日(火)8時30分~16時30分 晴れ
八女市の街並み散策と「いわいの郷」
 参加者 8名

史跡めぐり行程 
出発 ⇒ 八女伝統工芸館 ⇒ (街並み徒歩)(堺屋・矢部屋許斐本家・横町町屋交流館)
⇒ 昼食(黒豚屋)⇒ 福島八幡宮 ⇒ 八女伝統工芸館 ⇒ 岩戸山歴史文化交流館 ⇒ 解散 
史跡めぐりとしては久々に快晴で、絶好の散策日和となりました。


八女伝統工芸館の玄関前
八女市観光案内ボランティアの丸林さん  

2016年3月度 史跡巡り(八女市)_b0273309_12301510.jpg
玄関前の石灯籠から説明が始まり、情緒のある街並みを、昼食を挟んでぐるりと回りました。最後の歴史文化交流館でご案内いただいた学芸員の大塚さん共々、懇切丁寧な説明で、八女の歴史を身近なものにしていただきました。
八女の街並みは、天正15年(1587)秀吉に封じられた筑紫広門が、この地方の中心地・福島に福島城を築いたあと、筑後領主となった田中吉政が1601年に柳川城の支城として改修整備した時の町割りや水路などが現在も継承されています。歴史と自然に恵まれ、名産のお茶は言うまでもなく、石・仏壇・提灯などの多くの伝統工芸が息づいています。「ぼんぼり祭り」は一昨日まででちょうど終わったばかりでしたが、華麗な雛飾りも随所で見ることができ、八女の情緒を堪能しました。



堺屋(旧木下家住宅)(市文化財)

堺屋離れ(左)と倉庫
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伝統工芸館前を新町交差点から北の通りに入るとすぐ古い街並みが広がってきます。「堺屋」は、屋号を堺屋と称して代々酒造業・材木業で栄えた木下家の住宅跡で、敷地とともに市に寄贈されたものです。本宅はなくなっていますが、第11代が明治41年に建設したという「離れ」と倉庫が残っています。
貴賓客の応接に使われた「離れ」は、重層入母屋造桟瓦葺で鬼瓦に西洋風の風見鶏が付き、庭や部屋の内部も贅と意匠を凝らした建物になっています。乃木希典大将も訪問したということです。

座敷
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手水鉢の下には水琴窟が
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座敷の天井は、天井と周囲で角を折り上げ、床柱が皺を持った黒柿、欄間は屋久杉の1枚板で周囲に金箔・黒漆塗りの枠木、縁側の欄間に富士と鷹・違い棚の上に茄子の彫刻、鶴の形の釘隠しなど徹底的に縁起物にこだわった飾りを施してあります。床の間の「櫨」の掛け軸は書ではなく、画家井上三綱の絵でした。


表玄関から出て、「居蔵」と呼ばれる瓦屋根土蔵造りの町並みが残る往還道(本街道ではなく豊後へ抜ける豊後別路)を歩きます。

旧往還道の街並み
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木造3階建て(下妻蒲鉾店)
珍しい木造三階建ての「下妻蒲鉾店」に立ち寄り、出来たての竹輪を買って頬張りながら歩きました。もとは魚市場だったそうです。
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矢部屋許斐本家

矢部屋許斐本家
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店先の雛飾り
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創業が慶応元年という、九州で最古の製茶と輸出茶商を営む「矢部屋」の許斐本家の建物です。左側の採光に工夫を凝らした木造の黒塀部分は、茶の審査場跡でした。

店先で試飲のお茶を入れて戴いていた時、店主のご主人と奥様の所作を見てメンバーの一人が最近TV出演されていたことを思い出しました。それがきっかけ?で奥の建物2階まで特別ご案内を受け、調度品や茶缶・琵琶・絵など貴重なものが見れて得した気分になりました。

奥二階居室

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琵琶
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見事な欄間や調度品に歴史を感じます。床の間の絵は竹久夢二の初期の頃の自筆の絵。琵琶は、今も定期的にここで開催されるお稽古会で使っているそうです。


横町町屋交流館
横町町屋交流館は、もとは明治からの造り酒屋で、北棟は弘化2年・南棟は大正7年の築。裏には酒屋時代の煉瓦の煙突の跡も残っています。現在は市の情報発信施設として復元整備され、雛飾りや2階には郷土出身の作家の資料等が展示されています。

横町町屋交流館付近の街並み
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常設展示の見事な雛飾り
一つ一つ作者が違うそうです。
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  ~~~~~~~~~~~本日の昼食~~~~~~~~~~~~


町屋交流館の真ん前が昼食会場
黒豚屋
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       町屋ご膳・1,080円
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美味しい上に「豚しゃぶ」「うどん」までつく品数の豊富さ、実にリーズナブルなものでした。


福島八幡宮

燈籠人形で有名な福島八幡宮
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燈籠人形(伝統工芸館内で撮影したもの)
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福島八幡宮は、旧福島城下町民の氏神として、寛文元年(1661)現在の場所に勧請されました。延享元年(1744)に人形の燈籠を放生会に奉納するようになり、1722年に浄瑠璃作者の松延甚左衛門(元福島大庄屋)がからくりの技術を伝え(複雑な動きは、からくり儀衛門の工夫)、当番町制による上演様式が確立されました。現在燈籠人形は国の無形民俗文化財に指定されており、毎年秋分の日を含む三日間、八幡宮の境内に屋台を建て、前の玉石が並ぶ斜面を観客席として上演されています。境内にある巨木の銀杏に寄生する「やつで」が今は幅を利かしていました。


八女伝統工芸館

八女伝統工芸館に戻り、館内を案内していただきました。ここは廃線になった八女福島駅があった場所で、館内には当時のレール敷が残されています。古レールは道路沿いの長い藤棚にも活用されていました。

八女伝統工芸館内

当時のレール敷が残されています。
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日本一の仏壇
展示用に特別に作られたもので
展高さ6.5m、幅3.8m奥行2.5mで重さ2t
材料費だけで3,500万円。買うなら数億円? 
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九尺提灯
材料費1,000万円。
今は山鹿灯籠もここの和紙が使われています。
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絵付けの作業中
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日本一の石灯籠「八女匠の門」で記念撮影
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阿蘇の凝灰岩を素材として作った日本一の石灯籠だそうです。
くぐれば長生きすると聞いて皆でくぐりました。
案内の丸林さんとは、ここでお別れです。同業者の案内で緊張したと仰っていましたが、わかりやすい丁寧なご説明をありがとうございました。


岩戸山歴史文化交流館(いわいの郷)
岩戸山歴史文化交流館は、北九州最大の前方後円墳である岩戸山古墳の北側に、昨年11月末に開館したばかりです。

歴史文化交流館玄関
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今回は時間の関係で館内の展示物を中心に、
学芸員の大塚さんに約1時間案内していただきました。
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代表的な石人像
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古代史上の大事件「磐井の乱」で、大和の継体に敗れた郷土の英雄「筑紫君磐井」にスポットを当て、テーマに沿って効率よく配置された展示もたいへん見やすくなっていました。解説にも郷土への思い入れがひしひしと伝わってきます。



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ほぼ予定の時間に終了し、帰りは広川ICから帰途につきました。
何度も行った地でも、視点を変えると新たな発見があります。一度見たものでも、再度見ると理解が深まるようです。今回も有意義な史跡めぐりでした。
参加の皆さんお疲れ様でした。
by Fukuoka-heguri | 2016-03-15 18:29 | 史跡巡り | Comments(0)