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史跡案内ボランティアガイド


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2017年9月史跡巡り(多久)

2017年・9月史跡巡り
2017年 9月20日(水)8時20分~16時00分 曇り一時小雨
~ 多久の史跡と鵜殿石仏群(相知)を訪ねて ~ 参加者 8名


史跡めぐり行程
8:20 出発 ⇒ 9:30 鵜殿石仏群 ⇒ 10:30 くど造り民家 森家・川打家
⇒ 11:00 川古の大楠 ⇒ 12:00 昼食 多久町「茜」⇒ 13:00 多久聖廟・東原庠舎
⇒ 13:50西渓公園(寒鶯亭・高取伊好碑)、多久八幡神社・三本杉・多久神社・
⇒ 14:10解散 (16時頃帰着)

朝からどんより曇り、車中から早くも小雨が降り出すあいにくの空模様でしたが、参加者の熱意に応えて、午後には雨もあがりました。車二台、唐津まわりのルートで途中相知の鵜殿石仏に寄り、武雄の大楠まで足を延ばして、お昼に多久に着きました。
石仏や天然記念物に、孔子廟・神社など、自然と多様な史跡が珍しく、狭い地域に見所いっぱいで、3か月ぶりの史跡めぐりを堪能しました。



鵜殿石仏群(唐津市相知町)


鵜殿(うどの)石仏群は、弘法大師所縁とする文献もありますが、主に南北朝(14世紀)から江戸時代にかけて大きな岩に彫られたもので、密教的色彩の強い仏教修行の場で、上松浦党を率いる岸岳城主波多氏の信仰が厚かったようです。現在洞窟が崩壊していますが、かつては中に平等寺が建立されていたとか。現在60体ほどの石仏が見つかっていて、彫られた時代で三尊(釈迦・弥陀・観世音)から大日如来、不動明王へと信仰の変遷が推察されます。三尊の一部は炭鉱発掘のため埋められたり、他に移されたりしたそうです。

石佛群
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[左]持国天   [右]十一面観音像
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胎蔵界
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胎内くぐり あの世 と この世・・・
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30分ほど移動して西多久町に入りました。
佐賀と伊万里を結ぶ伊万里街道(国道25号線)の道路脇に茅葺の2件の古い建物と看板が見えます。

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くど造り民家 
「くど造り」とは、屋根の棟が「コ」の字にまわり、かまど(くど)の形をしていることに由来しているといわれています。地元では「かぎ屋」と呼ばれています。

森家(多久市指定重文) 川打家(国指定重文)

森家と川打家は、佐賀県を代表する「くど造り」の民家で、18世紀前半の建造物として、昭和49年に川打家が国の重要文化財の指定を受けました。(森家は平成8年に市の指定)
以前は600ⅿほど西に在ったものを移設保存しています。
くど造り民家は佐賀県南部に分布していましたが、現在はほとんどが姿を消しており、建築学上極めて高い価値を有するものになっております。
現在は移築され見学、利用ができるように整備されております

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ここから15分ほど移動し、武雄市若木町の方に回り、川古の大楠も眺めていきます。
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川古の大楠

樹齢3,000年を誇る国の天然記念物の大楠は全国巨木第5位。
樹高25ⅿ、幹回り21ⅿ、根張り33ⅿ
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奈良時代に行基が訪れ、内部に彫ったといわれる観音像は今は剥がれて隣のお堂に安置されいます。1200年ほど前には既に観音像を掘るほど大きな幹だったという伝承でしょうか。
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大楠の前で記念撮影
3,000年のパワーいただきました!
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    ~~~~~~~ 本日の昼食 ~~~~~~~~
      多久町の「海鮮うまいもんや 茜」

「お腹すいた~」の顔
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創業1871年とありますから、史跡巡りに相応しいお店でした。
今回は各人の好みの定食、800円~980円(アフターコーヒー付)を予約していました。



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多久聖廟(国史跡・重要文化財)
「孔子の里」として立派に整備された公園入口からスタートです。
案内していただく多久市観光協会の飯盛(いさかい)さん。

              多久茂文像
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多久第4代領主茂文は、多久を治めるのに「教育」が必要と考え、1699年に学問所「後の東原庠舎(とうげんしょうしゃ)」を建て、1708年に、「敬」の心を育むために多久聖廟を建てました。銘文は背の方についています。

                    孔子像
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この孔子象は、姉妹都市の岐阜県の曲阜市から平成9年に贈られたものです。
正面でなく横を向いているのは、お顔も曲阜の方向を向いているからだそうです。
孔子の身長は9尺6寸、2m16cmもの高身長であったため、世間では「長人」と呼ばれていたそうです。


    70mのメタセコイヤ
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聖廟参道前に植えられた4本のメタセコイヤの木は石炭の原木ともいわれる中国四川省原産の杉科の樹木です。
昭和34年今の天皇陛下のご成婚記念に植樹されたもので、成長が早く今や約70ⅿの高さに。
最初は5本あったそうです。
関係は、美智子皇后の母方の祖父が多久出身ということです。





               多久聖廟 仰高門
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多久聖廟の入口には中国式の門があります。
「仰高門」の仰高とは孔子の弟子顔淵(顔子)の語で師の徳の高さを表現しています。

                  多久聖廟
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多久聖廟は、儒学の祖で学問の神様ともいえる孔子を祀る廟で、現存するものでは全国で3番目に古い禅宗様仏堂形式の歴史ある建物で、国の重要文化財に指定されています。四霊の住む理想郷にしたいという思いが装飾の彫刻や絵などに表れています。瓦の模様は杏子の花と思われます。孔子は杏子の下で教えていたことに因むとか。
聖廟内には、孔子様と四配(顔子・曽子・子思子・孟子)の像が安置されています。
祀るため毎年2回〈4・10月〉伝統行事の釈菜(せきさい)が開催されます。

西渓公園   
聖廟のすぐ近く、西渓公園は、多久家の家老屋敷跡を先述の炭鉱王高取伊好が購入し、大正時代に整備した山水公園で、園内の寒鶯亭(かんおうてい)や図書館とともに当時の多久村に寄付したものです。

             寒鶯亭(国登録有形文化財)
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「寒鶯待春」うぐいすは、寒い時は笹鳴きで練習し春に美しい声を出すように、ここで世に出るまで学んでほしいとの思いを込めたそうです。

高取伊好像
多久出身、肥前の炭鉱王高取伊好の像。
唐津に高取邸跡も残っています。
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秋の釈菜の練習
秋の釈菜(せきさい)の準備ということでしたが、隣の東原庠舎西渓校(中高一貫)の中学生がダンスの練習を始めました。
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多久八幡神社
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公園の隣に多久神社と多久八幡神社が並んで建っています。多久八幡神社は、1193年源頼朝から多久領を拝領した鎌倉時代の御家人多久太郎宗直が建てた神社で、建築様式や彫刻などに桃山期の特徴があり、神殿は県の重要文化財に指定されています。

    三本杉(市指定天然記念物)

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境内の三本杉の巨木は樹齢700年以上で、高さ35ⅿ、根回り5.2ⅿ、根張り15ⅿもあるそうです。
根が一つの杉のため、神功皇后・応神天皇にもなぞらえて、親子杉とも呼ばれています。




多久神社
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多久神社は、1844年に多久家第11代領主茂族が、先祖の龍造寺長信(1570年「前多久」氏を滅ぼして龍造寺から入った「後多久」の初代)が居住し天理様御屋敷と呼ばれていたこの地に、先祖の報恩と子孫繁栄を願い創建した神社です。


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ここで案内人の飯盛(いさかい)さんとお別れです。
平群倶楽部の案内エリアの飯盛(いいもり)と重なり、とても親しみを感じました。
穏やかで優しい説明で、多久の歴史が身近なものになりました。
ありがとうございました。





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朝の雨模様もあり、予定より1時間ほど早く無事に行程が終了しました。
学問の神様?孔子に触れて少しは頭もすっきり、はっきりしてくれることを祈って多久の町にお別れしました。
どこを巡っても史跡や歴史につまらないとこはありません。いつも素通りしていた町も巡ればたくさんの歴史や興味が佇んでいるものです。

「唐津うまかもん市場」にも立ち寄り、買い忘れのお土産・今晩の食材など仕入れて帰りました。
次回の史跡巡りも楽しみです。
皆さんお疲れ様でした。

by Fukuoka-heguri | 2017-09-20 21:28 | 史跡巡り | Comments(0)